エアコンを買う前に必ずチェック!取付工事が高額にならないために気を付けること
夏前に必ず、必ず毎年あるんですが、エアコンはどこでも設置できる。と思っている方がいます。確かに、ある程度どこでも設置することはできますが、それは
・工事金額をいくらでも払える人。
・賃貸物件、持ち家関係なく家がボロボロになってもいい人。
この2つの条件をクリアすればある程度どこにでもエアコンは設置できます。厳しいことをいいますが、これは非常に大切な事なんです。実際に夏前になるとネットや通販で安くエアコンを手に入れた方が、
・取付工事ができないと言われた。
・工事費用が5万円以上という見積もりで困っている。
・(賃貸物件の場合)大家にエアコンは取り付けてはいけないと言われた。
などのトラブルが多いんです。使えないエアコンを買い取りに行くのはいいのですが、ちょっとかわいそうすぎる。と思って今回はエアコンを買う前に、『追加費用なしで取り付けができる物件か?』という事を、大手家電量販店の下請け業務もやっていた弊社が画像を使って教えていきたいと思います!
1.標準工事とは?
1-1 1階の人は99%標準工事
標準工事とは、エアコンから室外機までの配管の距離が4M以内で接続でき、なおかつ地面、もしくは床置きに設置するものです。
アパート、一軒家、マンション問わず、99%がこの設置でしたが、近年は特殊な設置状態が増えてきているので、エアコンを中古で安く買っても、工事料金の方が高かった。という場合もあるくらいです。
標準工事の内容は基本的に変わりませんが、店舗により若干の差があります。弊社は家電量販店の下請けをしていましたので、価格やサービス内容は家電量販店と同じような設定にしていますが、取り付け業者により変わりますので事前に確認した方がいいでしょう。
1-2 2階の人は設置場所を見る
2階以上に住んでいる、もしくは設置を検討している場合は『室外機の設置場所』を必ず確認しましょう。この確認だけでほぼすべてが決まります。
室外機がベランダ、もしくは共有通路。つまり、幼稚園児でも歩ける場所、室外機の目の前に建てる場所に設置されるようであれば問題ありません。
ですが、サービスバルコニーや天吊り、屋根置き、たちおろしという室内機が2階、室外機が1階に設置される場合は標準には含まれません。
幼稚園児でも歩いて行けるベランダで、室外機が床の面に置かれている事。これがクリアされない場合は追加費用のリスクが高くなります。
一軒家では屋根の上に置いてある場合も多いです。このような場合も取り付けには高額な費用が発生しますので、設置場所が屋根の上の場合は、事前に伝えておきましょう。業者さんによっては屋根上でのエアコン取付工事を行っていないところもあります。
1-3 そもそもコンセントと穴はある?
この画像にあるように、エアコンを設置する場所のそばに『穴』と『コンセント』はあるでしょうか?
穴がないと根本的にエアコンは取り付けできませんので、穴あけをするのですが、賃貸物件では基本『できない』ので設置できません。過去に不動産屋に穴あけは禁止と言われた、という方を何人も見てきました。
コンセントは工事をすればどうにかなりますが、賃貸物件では退去の時の原状回復費用で数万円請求されるでしょう。
賃貸物件の場合は、不動産会社、管理会社へ『暑くて死ぬ。』と苦情を入れて穴あけ、コンセント工事をしてもらうのが一番です。夏の厚さは命にかかわるので対応のいい不動産業者は工事をしてくれます。
コンセントがないだけで約2万円の工事費用が発生する、と思った方がいいでしょう。
2.実際に追加料金をとられる場合
2-1 壁に穴が開いていない
2023年10月からアスベストの法律が厳しくなり、2006年8月31日までに着工している物件にエアコンの穴あけを行う場合、事前調査などの工程が必要になりました。2006年9月1日より後に家の建設に着工した場合はアスベストを含む材料が不使用という事で何も問題はないのですが、それより前に家を建てている場合は法律の下、全て調査し、アスベストが含まれている場合は高額な処分費用、工事費用を払う必要が出てきました。
2-2 エアコン専用のコンセントがない
エアコン工事の中で、一番省略してはいけないのはこの『専用回路』と言われるコンセントです。古い家は特に分電盤の配線に無理があるので「本当に火災になるリスクがある」ことを理解してください。電気工事屋はケチなので、最低限の建築条件がクリアするように工事しています。15Aまで使えるコンセント、というのであれば15Aまでしか使えない材料で工事します。そこに大きな電流が流れ続けると、このように火事になります。すべてが燃え尽きますので、他のどんな工事よりも、コンセント工事はケチってはいけません。
2-3 化粧カバーが付いている
ほとんどの家が屋外のみですが、まれに屋内化粧カバーもあります。マンションに多いです。化粧カバーが付いていると3,300円前後追加費用が発生します。「じゃばら」といわれるパーツは早ければ数年でボロボロになり始めるので、使わない方がいいですよ。
2-4 地面置き、床置きではない
地面置き、床置きではない場合ほぼ必ず追加費用が発生します。作業内容により価格は変わりますが、追加費用2,000円~など安い金額の場合は注意が必要です。特に、サービスバルコニー、たちおろしの場合は「高所作業」費用が追加になる可能性が高いので、別で1万円以上請求されるリスクがあると思ってください。安全衛生法で地上2M以上の高さで作業する場合は高所作業としての取り扱いになっています。業者によっては現地で費用を高く加算してくるところもありますので、特殊設置の場合は頼む業者をよく選びましょう。
2-5 壁がコンクリート(土壁)でできている
コンクリートの場合はコンクリート専用の工具が必要で、土壁(和室の触るとボロボロに崩れてくる壁のこと)の場合は、立て桟という専用金具が必要になります。どちらの場合も3,000円~5,000円程度の追加費用になりますが、コンクリートの場合は接地ができない場合もありますので下見を行う必要があります。また、賃貸物件の場合は管理人に必ず確認しましょう。
2-6 地上1階の部屋ではない
階段、エレベーター問わず、地上1階に設置しない場合は追加費用が発生するケースが多いです。特に階段、メゾネットタイプの場合は費用が高くなりますので、事前によく打ち合わせをしましょう。
また、室外機がベランダに設置されていても配管の穴が写真のようにベランダの中に納まっていない場合は取付工事費用が高くなります。
2-7 中古のエアコンで材料が再利用品
中古のエアコンをリサイクルショップ、もしくはインターネットのフリマサイトなどで購入された場合、お引越しで移設工事をする場合に多いトラブルです。
ネットで、「エアコン取り付け最安6,000円~」みたいなHPみたことありませんか?すべての業者がダメとは言いませんが、中には安い料金で集客して工事の時に、
・配管が使えない。
・〇〇が壊れている。
・交換しないとすぐにダメになる。
などと言われて追加工事費用を払ってしまうケースです。本当にダメな場合もありますので判断が難しいので交換される方が多いです。
3.工事料金の相場はいくらなのか?
エアコンの取付工事の相場は15,000円~20,000円程度になります。
もちろん、15,000円以下で工事をされている業者んもいます。
エアコン工事には、出張費、作業費、材料費、技術費用などが含まれています。2024年現在、ガソリン代、原材料の高騰で出張費用と材料費が値上がりしています。多くの業者さんはHPの内容を変更していないので、実際に頼んだら高い金額だった。という事もあります。
また、安い工事業者では
・アース工事をしていない。
・ガス漏れをしている。
・設置後に壊れてしまった。
という事も発生しております。トラブルを回避するためにも、値段だけでは決めず、作業内容、サービス内容を考慮して決めましょう。
4.どんな場合でも最低限必要な追加工事
4-1 エアコン専用のコンセント工事
先ほどもお伝えしましたが、専用回路、エアコン専用のコンセントは必ず用意しなければいけません。水が漏れてきても死にません。漏電してても死にません。壊れても死にません。ですが、火事になると本当に死にます。それだけ専用回路は重要なものなんです。
2006年あたりに建築された物件ではほとんどがアース線、専用回路がありますが、古い物件では普通のコンセントから延長コードを引っ張ってきて使っている方もいます。
築50年くらいの家でエアコンを使っていたのですが、たこ足配線でエアコンを使っていた方の例です。
コンセントの一部が熱で溶けてしまい、焦げてきています。実際に暑くなっていましたし、固着して抜けなくなっていました。
エアコンは製造10年以内のものでしたので、電気工事士が行っているのであれば『違反工事』ですし、自分でやっていても電気工事法違反となります。火災が起きても、これがばれると火災保険など保険適用外になるリスクもありますので、自分も死ぬし、近隣の家も巻き込むリスクがあるものはちゃんとした工事業者へ依頼しましょう。
4-2 壁の穴あけ。もしくはアース工事
壁の穴あけについては、穴がないとエアコンが取り付けできないのですが、世の中には便利な窓枠パネル。というものがあります。マンションなどの3階以上であれば検討してもいいのではないでしょうか?1階の場合は防犯の観点からお勧めしません。
これは壁に穴があけられない物件の場合に利用するものです。リンク先にいくと使い方が見れます。実際に何人か使っているお客様を見たことがありますが、普通に使えているという事で、賃貸物件に住んでいる方にはお勧めです。アスベストも関係ないので、費用を最小限に抑えることができます。
アース工事はできる物件、できない物件がある
アース工事については、厳密に言えば工事をしていないから絶対にダメ!というものではまだありません。ただ、感電するかもしれないからあった方がいいからやってください。というような感じです。ですが、実際には物件によりアース工事ができない方も多々いらっしゃいます。アース工事は可能であれば必ずやってもらい、できない場合は理由と、代替案がないか工事業者さんにきいてみましょう。
5.エアコンの取付工事でよくある質問
エアコン取り付けの費用相場はいくらくらいですか?
エアコン工事は標準設置で15,000円~20,000円程度が相場になります。
工事はどのくらいの時間がかかりますか?
エアコン工事は標準設置で1時間~1時間30分くらいが多いです。
エアコンの取付工事で必要な資格はありますか?
会社として電気工事登録業、作業者は電気工事士2種以上が必要です。弊社は両方の資格、許可を持っているので安心しておお任せください。
中古エアコンの取付と新品エアコンの取付で金額が変わりますか?
かわりません。どちらの工事も同じ内容になりますので、中古エアコンの取付工事が高い、安い、という事はありません。
6.まとめ
今日はエアコンを安く買っても、取付工事が高くなってしまう!という人の情報を集めてみました。
ちょっと注意してその辺を歩いてみるとほとんどが標準設置なんですが、化粧カバーが付いている、たちおろし、屋根置きなどの特殊設置もちらほらとあります。自分の家のエアコンの設置環境が標準なのかどうかで工事費用は大きく変わってきます。また、地上1階に住んでいる方が安くなる傾向があります。タワーマンションなどは最悪工事お断り、というところもありますので物件により工事の価格は変わると覚えておきましょう。
エアコンを買って取り付ける前に、自分の家のエアコンが標準設置で安く工事できるのか?なにか追加費用がかかってしまうのか?よく見比べてみてくださいね。賃貸物件の場合はエアコン工事でトラブルになることもありますので、工事業者選びは慎重にしてください!
それでは、このブログがだれかの役に立つことができれば幸いです。失敗しないエアコン選び、工事業者選びをして下さい!